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Column ・ 宇宙のはなし

流れ星は、「星」じゃない?
──流星群と彗星のひみつ

夜空をすっと横切る流れ星。その正体や、なぜ毎年おなじ時期に「流星群」がやってくるのかを、宇宙にくわしくない人にもやさしく。

宇宙のはなし2026.06.22読了 約5分
📖 読み方を選べます。お子さまには こども版(ふりがな) がおすすめです。

「流れ星に願いごとを3回となえると、かなう」。だれもが一度は聞いたことのある言いつたえです。でも、あの夜空をすっと横切る光は、じつは「星」ではありません。正体は、宇宙にただようとても小さなちりそして、流れ星がたくさん降る「流星群」には、遠くをめぐる彗星がふかく関わっています。順番に見ていきましょう。

国際宇宙ステーションから見おろしたペルセウス座流星群の流れ星
国際宇宙ステーションから見おろした流れ星(中央の光の筋)。光っているのは星ではなく、地球の空気とぶつかって燃える小さなちりです。画像:NASA

流れ星は「星」ではない

夜空に見える星は、太陽のように自分で光る「恒星」や、はるか遠くの天体です。でも流れ星は、地球のすぐそば——上空およそ100kmあたりで起きる現象。宇宙をただよう砂つぶほどの小さなちりが、ものすごいスピードで地球の空気に飛びこみ、空気とこすれて高温になってパッと光るあれが流れ星の正体です。

つまり、光っているのは「星」そのものではなく、ちりが空気を熱して光らせている、ほんの一瞬のかがやきなのです。たいていは1秒もたたずに燃えつきてしまいます。

豆知識①

流れ星のもとになるちりは、多くが砂つぶ〜小石ほどの大きさもし燃えつきずに地上まで届くと、それは「隕石(いんせき)」と呼ばれます。空にいるときは流星、地面に落ちたら隕石、と名前が変わるのです。

流星群は、彗星が残した「ちりの帯」

ふだんの流れ星は、いつどこに流れるか分かりません。ところが1年のある時期になると、同じ方角からたくさんの流れ星が降る日があります。これが「流星群」です。なぜ毎年おなじ時期にやってくるのでしょう。

カギは彗星です。彗星は太陽のまわりをめぐりながら、細かいちりを通り道にまき散らしていきます。その「ちりの帯」を、地球が公転しながら毎年おなじ場所で横切るすると帯の中のちりが一気に地球へ飛びこみ、たくさんの流れ星になる——というわけです。毎年ほぼ同じ日付になるのは、地球が同じ地点を通るからなんですね。

流星群の名前は、流れ星が飛び出してくるように見える点(放射点)が、どの星座にあるかで決まります。「ペルセウス座流星群」なら、ペルセウス座のあたりから放射状に流れて見える、というわけです。

豆知識②

12月の「ふたご座流星群」だけは、母天体が彗星ではなく「ファエトン」という小惑星だと考えられています。彗星以外がもとになる、めずらしいタイプの流星群です。

覚えておきたい「三大流星群」

数ある流星群のなかでも、毎年とくにたくさん流れて見やすいのが、次の3つ。三大流星群」と呼ばれています。

  • 1月4日
    ごろ
    しぶんぎ座流星群。年明けすぐの寒い時期。当たり年なら数多く流れますが、ピークが短いのが特ちょうです。
  • 8月13日
    ごろ
    ペルセウス座流星群。夏休みの夜空をいろどる人気の流星群。母天体は「スイフト・タットル彗星」です。
  • 12月14日
    ごろ
    ふたご座流星群。1年でもっとも数が多いといわれる、冬の主役。空気が澄んで見やすい時期です。

このほか、10月の「オリオン座流星群」や5月の「みずがめ座η(エータ)流星群」は、あの有名なハレー彗星がまき散らしたちりが正体です。

そもそも彗星って、何でできているの?

彗星は、よく「汚れた雪だるま」にたとえられます。その正体は、ちりや岩のつぶが混じった氷のかたまりふだんは太陽から遠く、冷たく凍ったままですが、太陽に近づくと熱で表面の氷がとけ、ガスやちりがふき出します。これが太陽の光や風におされて長く伸び、あの美しいになるのです。

豆知識③

彗星の尾は、進む方向の後ろに引きずられている——と思いがちですが、じつはいつも太陽と反対側に伸びます。太陽から遠ざかるときは、尾を先頭にして進むことさえあるのです。

太陽地球彗星
太陽をめぐる彗星(左)が、通り道にちりをまき散らします。地球(右)がそのちりの帯を横切るとき、流星群が見られます。※イメージイラスト

ハレー彗星と、次の「2061年」

彗星のなかでもっとも有名なのが「ハレー彗星」。およそ76年に一度だけ地球に近づく、人の一生に一度会えるかどうかの彗星です。前回やってきたのは1986年。計算では、次に見られるのは2061年ごろとされています。

いまの子どもたちが大人になるころ、夜空に長い尾を引くハレー彗星が帰ってくる——。そして毎年10月、私たちはそのハレー彗星が残したちり(オリオン座流星群)を、流れ星として見ているのです。遠い宇宙の物語が、夜空でそっとつながっています。

望遠鏡は、いりません

うれしいことに、流星群を楽しむのに特別な道具はいりません望遠鏡や双眼鏡はむしろ視野がせまくなり、広い空をいちどに見わたせる肉眼がいちばんコツは次の3つです。

  • くらい場所で街あかりの少ない、空が広く開けた場所をえらびましょう。明るい街なかでは見えにくくなります。
  • 目をならす外に出てすぐは見えにくいもの。15分ほどかけて目を暗さにならすと、かすかな流れ星も見えてきます。
  • 空ぜんたいを一点を見つめず、なるべく広く空をながめます。寝ころんで見ると首も楽。夜は冷えるので暖かい服装で。

流れ星は、はるか昔に彗星が落としていった宇宙のかけらが、最後にひと筋の光を見せてくれる瞬間です。前回のコラムで、月の水は大昔に彗星が運んできたかもしれない、とお話ししました。夜空を横切るあの光もまた、同じ「宇宙からの贈り物」。次の流星群の夜は、そっと空を見上げてみませんか。

RODEN & SPACE

宇宙を、“遠い話”で終わらせない。

ローデンは、宇宙ミュージアム「ソラミル」の運営や、スペースポート高知への参画、宇宙食開発や「宇宙縁日」などのイベントを通じて、宇宙を身近なワクワクに変える取り組みを進めています。

このコラムでも、宇宙やロケット、そしてミライの話を、これからもやさしくお届けしていきます。