7月7日は七夕。短冊に願いを書く、夏のはじめの星まつりです。主役はもちろん、織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)。天の川にへだてられた二人が、年に一度だけ会えるという物語は有名ですね。でも、その二つの星が夜空のどこにあるか、そして「天の川」の正体がなんなのか——意外と知らないかもしれません。今年は少し、空を見上げたくなるお話をどうぞ。
天の川をはさんで向き合う、織姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)。はくちょう座のデネブを加えた三つの明るい星が「夏の大三角」です。図:ローデン作成(イメージ)
国際宇宙ステーションから撮影した、本物の天の川。雲のように見える光の帯は、数えきれない星の集まりです。画像:NASA/JAXA
織姫と彦星は、空のどこにいるの?
夏の夜、頭の真上あたりを見上げると、とても明るい三つの星が大きな三角形をつくっています。これが「夏の大三角」。その中でいちばん明るく青白く輝くのが、こと座のベガ=織姫星です。そこから天の川をはさんだ反対側にあるのが、わし座のアルタイル=彦星。三角形の残りひとつは、はくちょう座のデネブ。つまり七夕の二人は、夏の夜空で本当に天の川を間にして向かい合っているのです。
豆知識①
夏の大三角の3つ目の星「デネブ」は、じつは約1800光年もの遠くにあります。25光年のベガ、16光年のアルタイルにくらべ、桁ちがいに遠い。同じくらいの明るさに見えても、デネブはとてつもなく巨大で明るい星なのです。
そもそも「天の川」って、なに?
天の川は、川でも雲でもありません。その正体は、数えきれないほどの星の集まりです。私たちの太陽系は「銀河系(天の川銀河)」という、星が数千億個も集まった大きな円盤の中にあります。その円盤を内側から、厚みのある方向に見通したとき、遠くの無数の星々がぼんやり帯のように重なって見える——それが夜空の「天の川」の正体です。
銀河系の差し渡しは約10万光年。そのスケールの中に、太陽も地球も、そして織姫も彦星も、みんな含まれています。七夕に見上げるあの淡い光の帯は、言ってみれば「自分が住んでいる銀河を、内側からながめた景色」なのです。
豆知識②
天の川が「星の集まり」だと初めて確かめたのは、約400年前のガリレオ・ガリレイ。自作の望遠鏡を向けたところ、ぼんやりした光が無数の小さな星に分かれて見えたのです。肉眼ではひとつの帯。でもその一粒一粒が、太陽のような星なのですね。
二人は、本当に会えるの?
少しロマンを壊してしまうかもしれません。地球から織姫星(ベガ)までは約25光年、彦星(アルタイル)までは約16光年。そして二つの星は、たがいに約15光年もはなれています。光年とは「光が1年かけて進む距離」のこと。つまり、もし織姫が彦星へ光の速さで手紙を送っても、届くのに15年かかる計算です。
年に一度どころか、会いに行くのは現実にはとても難しい。でも、だからこそ昔の人は、天の川をはさんで輝く二つの星に物語を重ね、「一年に一度だけ会える」という願いを込めたのでしょう。科学を知っても、七夕のロマンはちっとも色あせません。
豆知識③
七夕は、もともと中国の星の伝説と、機織りや裁縫の上達を願う行事が結びついたもの。それが日本に伝わり、短冊に願いを書く今の形は江戸時代に広まったといわれています。星をながめる風習は、千年以上の時を越えて受け継がれてきたのです。
今年の七夕、どう楽しむ?
まずは7日の夜、空を見上げてみてください。街明かりの少ない場所なら、夏の大三角を目印に、織姫と彦星はすぐ見つかります。天の川まで見たいなら、できるだけ街灯のない暗い場所がおすすめ。月明かりの少ない夜ほど、淡い帯がくっきり浮かび上がります。
ちなみに、新暦の7月7日はまだ梅雨のさなかで、星が見えないことも少なくありません。そんな年は、旧暦にちなんだ「伝統的七夕」(8月ごろ)もねらい目。晴れやすく、天の川も高くのぼって見やすくなります。短冊に願いを書いたら、ぜひ本物の星空も探してみてください。
RODEN & SPACE
宇宙を、“遠い話”で終わらせない。
ローデンは、宇宙ミュージアム「ソラミル」の運営や、スペースポート高知への参画、宇宙食開発や「宇宙縁日」などのイベントを通じて、宇宙を身近なワクワクに変える取り組みを進めています。
このコラムでも、宇宙やロケット、そしてミライの話を、これからもやさしくお届けしていきます。

星野館長もうすぐ七夕だね! 今日は、七夕の主役「織姫さまと彦星さま」が、夜空のどこにいるのか、いっしょに見にいこう。

ソラくんえっ、本物の織姫さまが、お空にいるの!?
天の川をはさんで、織姫さまと彦星さまが向きあっているよ。図:ローデン作成(イメージ)
これがほんものの天の川。くものように見えるのは、ぜんぶ星のあつまりなんだよ。画像:NASA/JAXA
夜空にかがやく、本物の二人
そうなんだ。夏の夜、空のてっぺんのあたりを見上げると、とっても明るい星が3つ、大きな三角の形にならんでいるよ。これを「夏の大三角」っていうんだ。そのうちの青白くかがやく星が織姫さま(ベガ)、天の川のむこうがわにあるのが彦星さま(アルタイル)だよ。

レンくんぼくのいちおし! 星がよく見える暗い場所で見上げると、大三角がすぐ見つかるよ。そこから織姫さまをさがしてみてね。
「天の川」って、なあに?

ソラくんねえ、天の川って、ほんとうの川なの? 水がながれてるの?

星野館長ふふ、川じゃないんだ。天の川のしょうたいはね、数えきれないほどの星のあつまりなんだよ。とおくの星がたくさん重なって、白い帯みたいに見えているんだ。

モグリンええっ、あの白いのぜんぶ星なの!? すごい数モグ〜!
二人は、会えるのかな?
織姫さまと彦星さまは、じつはとってもとっても遠くはなれているんだ。あいだは「15光年」。これは、すごく速い光が15年かかって、やっとたどりつく距離なんだよ。

星野館長だから、すぐには会いにいけない。でも、むかしの人はそんな二つの星に「一年に一度だけ会える」というすてきなお話をつくったんだ。やさしい気持ちだね。
今年の七夕、空を見上げてみよう
7月7日の夜、おうちの人といっしょに空を見上げてみてね。たんざくにねがいごとを書いたら、本物の織姫さまと彦星さまもさがしてみよう。見つかったら、ちょっとうれしくなるよ。

キララわたしもお空でおうえんしてるね。すてきな七夕になりますように☆
SPACE & FUN
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宇宙ミュージアムや「宇宙縁日(うちゅうえんにち)」などのイベントで、宇宙のワクワクをみんなに届けています。このコラムに出てくるキャラクターたちも、ぜんぶオリジナルの企画なんだよ。