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Column ・ 宇宙のはなし

七夕の夜空に、本物の「天の川」を探そう。
──織姫・彦星と天の川のはなし

願いごとでおなじみの七夕。でも、織姫と彦星が空のどこにいるか、知っていますか? 夜空を見上げたくなる、星のおはなしです。

宇宙のはなし2026.06.29読了 約6分
📖 読み方を選べます。お子さまには こども版(ふりがな) がおすすめです。

7月7日は七夕。短冊に願いを書く、夏のはじめの星まつりです。主役はもちろん、織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)天の川にへだてられた二人が、年に一度だけ会えるという物語は有名ですね。でも、その二つの星が夜空のどこにあるか、そして「天の川」の正体がなんなのか——意外と知らないかもしれません。今年は少し、空を見上げたくなるお話をどうぞ。

夏の大三角 デネブ はくちょう座・約1800光年 織姫星(ベガ) こと座・約25光年 彦星(アルタイル) わし座・約16光年 天の川
天の川をはさんで向き合う、織姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)。はくちょう座のデネブを加えた三つの明るい星が「夏の大三角」です。図:ローデン作成(イメージ)
国際宇宙ステーションから撮影した天の川
国際宇宙ステーションから撮影した、本物の天の川。雲のように見える光の帯は、数えきれない星の集まりです。画像:NASA/JAXA

織姫と彦星は、空のどこにいるの?

夏の夜、頭の真上あたりを見上げると、とても明るい三つの星が大きな三角形をつくっています。これが「夏の大三角」。その中でいちばん明るく青白く輝くのが、こと座のベガ=織姫星です。そこから天の川をはさんだ反対側にあるのが、わし座のアルタイル=彦星三角形の残りひとつは、はくちょう座のデネブ。つまり七夕の二人は、夏の夜空で本当に天の川を間にして向かい合っているのです。

豆知識①

夏の大三角の3つ目の星「デネブ」は、じつは約1800光年もの遠くにあります。25光年のベガ、16光年のアルタイルにくらべ、桁ちがいに遠い。同じくらいの明るさに見えても、デネブはとてつもなく巨大で明るい星なのです。

そもそも「天の川」って、なに?

天の川は、川でも雲でもありません。その正体は、数えきれないほどの星の集まりです。私たちの太陽系は「銀河系(天の川銀河)」という、星が数千億個も集まった大きな円盤の中にあります。その円盤を内側から、厚みのある方向に見通したとき、遠くの無数の星々がぼんやり帯のように重なって見える——それが夜空の「天の川」の正体です。

銀河系の差し渡しは約10万光年そのスケールの中に、太陽も地球も、そして織姫も彦星も、みんな含まれています。七夕に見上げるあの淡い光の帯は、言ってみれば「自分が住んでいる銀河を、内側からながめた景色」なのです。

豆知識②

天の川が「星の集まり」だと初めて確かめたのは、約400年前のガリレオ・ガリレイ自作の望遠鏡を向けたところ、ぼんやりした光が無数の小さな星に分かれて見えたのです。肉眼ではひとつの帯。でもその一粒一粒が、太陽のような星なのですね。

二人は、本当に会えるの?

少しロマンを壊してしまうかもしれません。地球から織姫星(ベガ)までは約25光年彦星(アルタイル)までは約16光年そして二つの星は、たがいに約15光年もはなれています。光年とは「光が1年かけて進む距離」のこと。つまり、もし織姫が彦星へ光の速さで手紙を送っても、届くのに15年かかる計算です。

年に一度どころか、会いに行くのは現実にはとても難しい。でも、だからこそ昔の人は、天の川をはさんで輝く二つの星に物語を重ね、「一年に一度だけ会える」という願いを込めたのでしょう。科学を知っても、七夕のロマンはちっとも色あせません。

豆知識③

七夕は、もともと中国の星の伝説と、機織りや裁縫の上達を願う行事が結びついたもの。それが日本に伝わり、短冊に願いを書く今の形は江戸時代に広まったといわれています。星をながめる風習は、千年以上の時を越えて受け継がれてきたのです。

今年の七夕、どう楽しむ?

まずは7日の夜、空を見上げてみてください。街明かりの少ない場所なら、夏の大三角を目印に、織姫と彦星はすぐ見つかります。天の川まで見たいなら、できるだけ街灯のない暗い場所がおすすめ。月明かりの少ない夜ほど、淡い帯がくっきり浮かび上がります。

ちなみに、新暦の7月7日はまだ梅雨のさなかで、星が見えないことも少なくありません。そんな年は、旧暦にちなんだ「伝統的七夕」(8月ごろ)もねらい目。晴れやすく、天の川も高くのぼって見やすくなります。短冊に願いを書いたら、ぜひ本物の星空も探してみてください。

RODEN & SPACE

宇宙を、“遠い話”で終わらせない。

ローデンは、宇宙ミュージアム「ソラミル」の運営や、スペースポート高知への参画、宇宙食開発や「宇宙縁日」などのイベントを通じて、宇宙を身近なワクワクに変える取り組みを進めています。

このコラムでも、宇宙やロケット、そしてミライの話を、これからもやさしくお届けしていきます。