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Column ・ 宇宙のはなし

ゆっくり流れる“火球”に、出会えるかも。
──2026年のおうし座流星群

流れ星とは何か、流星群や火球とはどう違うのか。11月5日ごろと12日ごろに極大をむかえるおうし座流星群は、数は少なめでも、ゆっくり流れる明るい流れ星に出会えることがあります。今年は新月をはさんで月明かりの影響が少ない、好条件です。

宇宙のはなし2026.10.26読了 約7分
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秋の夜、一瞬で消える流れ星を見かけることがあります。ところが11月は、いつもと違う流れ星に出会えるかもしれません。それがおうし座流星群。数は多くありませんが、ゆっくりと流れ、ときどき驚くほど明るく光るのが特徴です。2026年は月明かりの影響が少なく、見るには絶好の年。流れ星のしくみから、見かたのコツまで、やさしくご紹介します。

流れ星とは?流星群・火球との違い

流れ星(流星)は、宇宙に浮かぶ小さなちりが、地球の大気に猛スピードで飛びこんで光る現象です。ちりの多くは砂つぶほどの大きさで、星そのものが落ちてくるわけではありません。大気とぶつかって熱くなり、空気が光ることで、夜空に一本の線が描かれます。くわしくは「流れ星は、星じゃない?」で紹介しています。

ふだんは、1時間に数個ほどの流れ星が、空のどこかで流れています。ところが、彗星が通ったあとには、ちりがたくさん残っています。地球がその「ちりの帯」を通りぬける時期には、流れ星の数がぐんと増えます。これが流星群です。ペルセウス座流星群、オリオン座流星群などは、毎年ほぼ同じ時期に見られます。10月のオリオン座流星群は、ハレー彗星のかけらでした。

そして、とくに明るく輝く流れ星を火球(かきゅう)と呼びます。金星など惑星より明るく見えるほどの流れ星で、夜空を明るく照らすこともあります。おうし座流星群は、この火球が現れることがある流星群として知られています。

おうし座流星群の親は、エンケ彗星

おうし座流星群のもとになっているのは、エンケ彗星です。約3.3年で太陽を1周する、周期の短い彗星で、通りすぎるたびにちりを残していきます。おうし座流星群には、11月5日ごろに極大になる南群と、11月12日ごろに極大になる北群の2つがあり、どちらもエンケ彗星と関係があると考えられています。(北群は、小惑星「2004 TG10」とも関係があるとされます)

エンケ彗星の軌道と地球の軌道を太陽系の上から見た図。彗星の軌道は地球の軌道と交わっていて、地球が彗星のちりの帯を横切るときにおうし座流星群になる(※イメージ図)
エンケ彗星のちりの帯を、地球が11月に横切ります。※イメージ図

有力な説では、約2万年前に大きな天体が分裂して、エンケ彗星や小惑星、そしておうし座流星群のもとになったちりが生まれたと考えられています。流れ星の一粒一粒が、太古の天体のかけらかもしれない、と思うとロマンがあります。

豆知識1

流星群の名前は、流れ星が飛び出してくるように見える中心点(放射点)がある星座に由来します。おうし座流星群なら、おうし座のあたり。ただし流れ星は、空のどこにでも現れます。放射点の方向だけを見つめる必要はなく、広く空全体を眺めるのがコツです。

流れ星の速さは、新幹線の約340倍

流れ星は、地球の大気に飛びこむときの速さで、見えかたが変わります。オリオン座流星群は秒速約66kmで、新幹線の約800倍。これに対しておうし座流星群は秒速約28kmと、流星群のなかではゆっくり流れます。それでも新幹線の約340倍で、東京から大阪まで約14秒という猛スピードです。

流星群ごとの流れ星の速さの比較。おうし座流星群は秒速約28km、ふたご座は約35km、ペルセウス座は約59km、オリオン座は約66km、しし座は約71km(概数)
流星群ごとの、流れ星の速さ(概数)。おうし座流星群は、目で追いやすい速さです。
豆知識2

おうし座流星群の流れ星は、ゆっくり流れる分、目で追いやすいといわれます。数こそ多くありませんが、南群は粒が大きめで、色あざやかな火球を生むことがあるとされます。1時間に数個ほどを楽しむつもりで、のんびり夜空を眺めてみてください。

2026年は、月が味方

流れ星を見るとき、いちばんの敵は月明かりです。明るい月があると、暗い流れ星は見えなくなってしまいます。2026年は、11月9日が新月(16時02分)。南群の極大(11月5日ごろ)も、北群の極大(11月12日ごろ)も、細い月で、月明かりの影響が少ない好条件です。南群と北群は、どちらも極大の前後数日間、ほぼ同じくらい楽しめるので、当日にこだわらず、晴れた夜を選べば十分です。

2026年11月1日から15日の月のかたちとおうし座流星群の極大日。南群は11月5日ごろで月の出は1時52分、新月は11月9日16時02分、北群は11月12日ごろで月の入りは18時20分
極大の日の月は細く、流れ星を探すのにぴったりです。(※東京の時刻)
  • 11月5日(木)南群の極大ごろ。月齢25.5の細い月で、月の出は1時52分。それまでは月のない暗い空です。
  • 11月9日(月)新月(16時02分)。前後の夜は、一年のなかでも空がとくに暗い時期です。
  • 11月12日(木)北群の極大ごろ。月齢2.8の細い月で、月の入りは18時20分。夜遅くは月明かりがありません。
  • 11月17〜18日ごろしし座流星群が極大の見ごろ。おうし座流星群とあわせて、11月は流れ星の多い月です。

月の出入りの時刻は、地域によって少し違います。お住まいの地域の時刻は、国立天文台などの暦で調べてみてください。月の満ち欠けのしくみは、「月の裏側」のはなしでも紹介しています。

見かたのコツ

  • いつおうし座は、夕方から東の空に昇りはじめます。夜が深まるほど高くなるので、真夜中すぎから明け方前が、流れ星を見つけやすい時間帯です。
  • どこで街あかりから離れた、空が広く開けた場所がおすすめ。ベランダや公園でも、まわりの照明が目に入らない場所なら楽しめます。
  • どちらをおうし座の目印は、赤い1等星アルデバランと、星の集まり「すばる」。その方角を中心に、空全体をぼんやり眺めます。
  • 目を慣らす暗い場所に目が慣れるまで、15分ほどかかります。スマホの画面を見ると、慣れた目がリセットされます。
  • 防寒11月の夜は冷えこみます。厚手の上着、ブランケット、あたたかい飲み物を。レジャーシートに寝転がると、首も楽です。
  • 安全暗い場所では足元に気をつけて。道路わきや、立ち入りが禁止された場所は避けましょう。
豆知識3

流れ星のほとんどは、地上に届く前に大気のなかで燃えつきます。ごくまれに大きな火球が燃えつきずに地上まで届くことがあり、それが隕石です。火球が見えたら、それは宇宙から飛んできた岩のかけらが、空のなかで最期の光を放っている瞬間なのです。

月のクレーターも、宇宙からのかけらの跡

月の表面にたくさんあるクレーターは、宇宙から飛んできた天体がぶつかったあとです。大気のない月では、流れ星のように燃えつきることなく、かけらが表面まで届きます。そんな月面を、スマホで歩いてみませんか。ローデンの月面歩行ARデモは、スマホのカメラ越しに月面を歩いて足あとを残せるほか、ロケットの打ち上げも見られます。デモは約30秒、アプリのインストールは不要です。iPhoneはSafari、AndroidはChromeで開いてください(SNSアプリ内のブラウザでは動かないことがあります)。

おうし座流星群は、派手さはありませんが、ゆっくり流れる火球にめぐり会えたときの感動は格別です。晴れた夜に、ぜひ、上着を一枚多めに着て、空を見上げてみてください。

RODEN & SPACE

宇宙を、“遠い話”で終わらせない。

ローデンは、宇宙ミュージアム「ソラミル」の運営や、スペースポート高知への参画、スマホで月面を歩く月面歩行AR、宇宙食開発や「宇宙縁日」などのイベントを通じて、宇宙を身近なワクワクに変える取り組みを進めています。

このコラムでも、宇宙やロケット、そしてミライの話を、これからやさしくお届けしていきます。

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